いざBスポット治療へ

気が付いたら私に憑依していた慢性上咽頭炎という厄介な奴。
ずっと私の体に勝手に住み着いていて、巣食われる身としてはたまったもんじゃない。
まさかの家から徒歩15分くらいのところに慢性上咽頭炎の治療法、「Bスポット治療」なるものをやっているクリニックがあることを知り、ついにこいつから解放されるかもしれない…!!といそいそと出かけた私。
この治療法の感想として先に言っておくと、この治療法のデメリットは兎にも角にも痛いということ。
これに尽きる。
塩化亜鉛という薬液が染み付いた長い棒で、上咽頭をグリグリ擦るという荒技。
本でもネットでも事前知識としては知っていたし、とにかくこの謎の苦しみから解放されるならどんな痛みでも耐えるという気持ちで病院へ向かいました。
診察室に入って症状を話し、恐らく慢性上咽頭炎じゃないかと思うんですと伝えると、先生は
「みんな自分もそうじゃないかって言って診察に来るんですよねえ。一応やってみます?」
と、どうせ上咽頭炎じゃないだろうと全く乗り気じゃない。
は?と思いましたが絶対に私は慢性上咽頭炎だろうなという確信があったので、とにかくやってもらうことに。
緊張しながらも口を開け、いよいよ長い棒で上咽頭を強く擦られたその瞬間、経験したことのない激痛が。
まず、耳を冷たい金属の棒でブッ刺されたか?というような痛み。
喉なのになんで耳?と思いますよね。
全部繋がってるから痛いんです、繋がってるから目も耳も頭も全てつらかったんです。
もちろん喉から大量に出血したので喉も痛いし、目も今飛び出た?ってくらい痛かったし、何より耳に激痛が走ったので心臓が止まるかと思いました。
まさかの痛み方にびっくりもびっくり、そんなの聞いてないよという驚き…
上咽頭からの大量の出血を目にした先生は、
「あ、本当につらかったんだね…」と血がついた棒を見ながら呟きました。
だから言ってんじゃん…と半泣きの私。
そんなにはなから信じないほどこれってめずらしいのか?
慢性上咽頭炎じゃない人はそもそも鬱血していないので、出血することはないんだとか。
それでも、やっぱりこの病気だったんだということが分かり、ついに原因を突き止めた…20年かかった…というこの時の安堵と喜びといったらなかった。
あまりの痛みで「ちゃんと鼓膜ついてる?」と呆然としていましたが、また近いうちに来てくださいとのことで、あれよあれよとネブライザーという霧状の薬液を吸う治療をして終了。
説明から終了までトータルで15分ほどの短い時間でしたが、こうしてBスポット治療第一回目が終了しました。
この治療を経験し、私が「喉が痛くて目も耳も頭も痛い」という慢性的な症状があったことの辻褄が全て合いました。
上咽頭を刺激すると同時に、目と耳も同時にあんなに激痛が走ったんですから…
私は特に、耳の痛みが顕著でした。
私のつらさにはちゃんと原因があったんだなと、とても安堵しました。
本当にそれまで誰にも理解されず、病院に行っても「自律神経失調症じゃないかな」としか言われず、治療法も分からないまま気力と気合いで毎日を過ごしている状態でした。
慢性的な肩凝りもひどく、とにかく上半身の全てが不調という感じで、私はみんなと同じように過ごせないダメ人間だとかなり自己嫌悪に陥っていました。
なのであの瞬間どんなに痛くても、「やっぱり慢性上咽頭炎だ」ととても嬉しかったのです。
やっと病名が分かったという喜びでした。